副業で始めたオーダーメイドレッスンへの転職が“天職”との出会い

ITサポートスクールひまわり ウェブ集客プランナー 有賀康江さんのST0RY

湘南台から徒歩2分のコワーキングスペース「シードハウス」を拠点に、出張型でマンツーマンのオーダーメイドレッスンを届けているITサポートスクールひまわりの有賀康江さん。屋号の「ひまわり」をまとったかのような元気とパワーにあふれる有賀さんが、生まれ育った“土”にどのような“種”を見つけ、いかにして“芽”を開いたのか。平坦ではないご自身の経験や歩みがお仕事のコアにあるヒューマンなST0RYをお話しいただきました。
インタビュー・文=神 誠(ST0RY編集部)

寄り添う指導に通じる母の「献身」


――小さいころに好きだったこと(もしくは嫌いだったこと)は何ですか?


どちらも習い事ですが、お習字が好きでピアノは嫌いでした。私たちの親世代は戦時中に不自由な小・中学生を過ごした反動で、自分ができなかったことを子どもにやらせたいという思いが強かったようで、いろいろと習い事に投資してくれたようです。

習字もピアノもはじめは習わせられたに違いありませんが、幼心に国語の先生になって書道を教えたいと思っていたので、習字は高校生になっても書道部で続けるほど好きでした。逆にピアノは習いたくないのに無理やりやらされていたのがよくありませんでしたね。

――小さいころに影響を受けた人は誰ですか?


小学校3、4年生のときの担任の先生ですね。当時は女学校上がりの厳しい先生が多かった中で、その先生は一切「否定」をしない方でした。あるとき私に「ありが(有賀)とうさん」というあだ名をつけてくださって、私が何かの拍子に怒ったりすると「有賀さんはありがとうさんでしょ」と、上手に受け止めながら諭してくれました。先生の優しさにふれることで自分自身を肯定できるようになったような気がします。

――小さいころの一番の成功体験を教えて下さい。


自転車に乗れるようになったときのことを思い出しますね。私は乗り始めが遅くて、5年生になってようやく「補助輪付き」からのスタートでした。他の子はとっくに乗り回していましたからとにかく悔しくて、学校から帰ってくると裏の空き地でほとんど毎日、雨の日以外はずっと練習していました。乗れるようになるまでの3ヶ月、いつもは厳しい母が毎日つきあってくれたのを覚えています。反発しあいながらも私を一番サポートしてくれたのは母でしたし、母から受けた「献身」がいまのお仕事に通じているのかもしれません。

――いまのお仕事を始めようと思ったきっかけはどんなことですか?


主人を15年前にガンで亡くし、自分も病気を患って手術をした経験から、「これからの人生何があるかわからないから悔いなく生きよう」と思うようになりました。いまのお仕事に出合ったのは50歳になってからですが、そのときの転職が天職につながったと思っています。

そもそもインストラクターとして2年勤めたパソコン教室は、フランチャイズゆえにカリキュラムが決まっていたんですね。ところがスクール生の70%くらいがシニアの方で、やりたいことは決まっているのにわざわざタイピングからやらなきゃならない。たとえ「ここだけやりたい」と言われても、カリキュラムから外れた指導はできなかったのです。

そこで自分から出向く出張スタイルで、お客さまがやりたいことをピンポイントでサポートできないかと考え、まずは副業として始めたのがきっかけでした。さすがにあるときオーナーから「どっちが大事なんだ」と問いただされ、「もちろん副業の方が大事です」と(笑)。周囲にはさんざん止められましたが「年内で辞めます」と宣言し、半ば勢いで独立したというのが実情です。

女性起業家ならではの課題と向き合う


――いまのお仕事を通じてどんな世界を実現したいと思っていますか?


まずは地元の湘南地域にたくさんいらっしゃる女性起業家のみなさんを笑顔にしたいですね。そのために考えているのが、湘南を起点に全国のコワーキングスペースをネットワークして、パソコンさえあればいつでも仕事ができる環境を作ることです。お子さんがいて家では仕事ができないと悩んでいる方に、きちんとオンオフを切り替えられる場所を提供してあげたい。

そのうえで、女性起業家のみなさんが苦手なIT分野をショートカットして、好きなこと得意なことだけに専念してお仕事していただけるように、パソコン・スマホのちょっとしたお困りごとからSNSのビジネス活用法まで、起業初期のかゆい所に手が届くオーダーメイドのサポートをしていくのが理想ですね。

――いまのお仕事を通じてどんな使命を果たしたいと思っていますか?


女性起業家ならではのお悩みに寄り添える存在であることです。たとえば女性の場合、「顔出し」というのが最初の障害になります。次に配偶者からの「目立つな」「扶養内で」という制約。そして「開業届」を出すか出さないか。これらをどこまで乗り越えられるかでその後の覚悟が違ってきますが、あくまでご本人ができる限りの範囲で、私のできる限りのサポートをしたいと考えています。

もうひとつ、女性起業家によくあるのが「お友だち価格」との闘いです。特にハンドメイドのモノ作りをされる方は、自分の仕事の価値を時給換算しないことが多くて、すごく安い値段から始めてしまったまま値上げできずに行き詰ってしまう。顔の見えるリアルな集客も大切ですが、そこにネット集客を併せることで、未来の新しいお客さまを見つけるサポートができればと思っています。

――いまのお仕事で最初に手ごたえを感じたのはどんなときですか?


自宅の近くに大好きなワッフル屋さんがあって、そのお店のオーナーさんが手書きでメニューを作っていらしたんですね。もちろん手書きの良さはありながらも、メニューが変わるたびに書き換えなきゃいけないことにお困りでした。

たまたま副業でITサポートを始めたことを紹介したところ、「じゃあWordでメニューを作るやり方を教えて。私が生徒さん第1号になってあげる」と言ってくださって。メニュー作成に特化したWordレッスンをしたら「えーこんなことできるの!?」と、悩まれていたお顔がパッと明るく変わったんですね。

困っていた方が笑顔になる瞬間を間近で拝見できて、自分がサポートした成果を全身で感じられて、そのうえお役に立てて、対価をまでいただける…こんなにすごい仕事はない!もうこれで生きていこう!と決めた瞬間でした。

――いまのお仕事を成功に導いた要因はなんだと思いますか?


第18回湘南ビジネスコンテストに入賞したことで、目に見えてレッスンのご依頼が増えました。実際のところ応募するまでは本当に必死で、周りの支援者からもたくさんの“愛のムチ”を頂戴しました。なにしろ起業のきっかけが勢いだったもので、事業計画書のようなものをまともに書いたことがなく、勉強のつもりで参加したコンテストでした。

取り組んだテーマは「湘南の女性起業家応援プラン」で、それが応募者200人中たった6人のファイナリストに選ばれ、湘南信用金庫賞をいただきました。私のビジネスアイデアが自社の利益にとどまらず、湘南地域を巻き込んで貢献できそうだということが受賞のポイントだったようです。

――いまのお仕事をこれからどのように発展させたいですか?


先ほどのビジネスコンテストをきっかけに、いろいろあるITサポートの中で起業に必要なものをパッケージした「スターターキット」の販売を考え始めました。それらをコワーキングスペースを通じて提供することで、まずは湘南地域の困っている起業家さんを支援していきたいと思っています。

また次のステップとして、現在はマンツーマンで提供しているサポートの内容を講座化し、「ITぶきっちょさんのためのネット活用サポート塾」というコンセプトでスクールを立ち上げ、一人でも多くITでお困りの女性起業家の方のお役に立ちたいと考えています。

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